慢性腎臓病に対する食事療法基準 2014年版 - DigiAtoまとめ

慢性腎臓病に対する食事療法基準 2014年版

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表1:CKDステージ別 カリウム摂取目標量

CKDステージGFR区分 (mL/分/1.73m²)カリウム摂取目標量 (mg/日)備考
G1≧90制限なし 
G260~89制限なし 
G3a45~59制限なし高カリウム血症を認める場合は制限を考慮
G3b30~442,000未満血清カリウム値に応じて調整。高カリウム血症があれば制限が必要
G415~291,500未満原則として制限が必要。血清カリウム値、尿量などを考慮して個別化が必要
G5<151,500未満原則として制限が必要。血清カリウム値、尿量などを考慮して個別化が必要
透析期 (HD/PD)2,000未満透析条件、残存腎機能、血清カリウム値、食事摂取量などを考慮して調整

出典:日本腎臓学会「慢性腎臓病に対する食事療法基準 2014年版

 

※以下の内容は日本腎臓学会「慢性腎臓病に対する食事療法基準 2014年版」からの抜粋です。

成人向け食事療法基準の主なポイント

1. エネルギー

  • 25~35 kcal/kg標準体重/日を基本とし、性別、年齢、身体活動レベルなどを考慮
  • 身体所見や検査所見の推移により適時変更が必要

2. たんぱく質

  • ステージG3aでは0.8~1.0 g/kg標準体重/日
  • ステージG3b以降では0.6~0.8 g/kg標準体重/日
  • 糖尿病性腎症などではステージG4以降で0.6~0.8 g/kg標準体重/日
  • 十分なエネルギー確保が必要で、サルコペニア、PEW、フレイルの発症リスクに注意

3. 食塩

  • ステージにかかわらず6 g/日未満を目標
  • 3 g/日未満の過度の制限は推奨しない
  • ステージG1~G2で高血圧や体液過剰を伴わない場合は日本人の食事摂取基準の目標量でもよい

4. カリウム

  • ステージG3aまでは制限せず
  • G3bでは2,000 mg/日以下
  • G4~G5では1,500 mg/日以下
  • 血清カリウム値を参考に制限を検討

5. リン

  • たんぱく質制限と関連して考慮
  • 食品のリンの利用率やリン/たんぱく質比も考慮
  • 必要に応じてリン吸着薬を使用

6. 透析患者の食事療法

  • 血液透析患者:エネルギー30~35 kcal/kg標準体重/日、たんぱく質0.9~1.2 g/kg標準体重/日、食塩<6 g/日
  • 腹膜透析患者:エネルギー30~35 kcal/kg標準体重/日(透析液からの吸収分を差し引く)、たんぱく質0.9~1.2 g/kg標準体重/日

小児向け食事療法基準の主なポイント

1. 基本事項

  • 適切な栄養摂取は成長発達に不可欠
  • 経口で十分な栄養摂取ができない場合は経管栄養を検討
  • 定期的な栄養状態と成長の評価が必要

2. エネルギー

  • 健常児と同等の十分なエネルギー摂取が必要
  • 成長に問題がある場合は実年齢相当のエネルギー摂取への増加を検討

3. たんぱく質

  • 制限による進行抑制効果のエビデンスは不十分
  • 成長障害のリスクがあるため制限は避ける
  • 過剰摂取も避けるべき

4. 食塩・水

  • CKDステージや原疾患により、補充も制限も必要
  • 先天性腎尿路奇形では食塩と水の補充が必要な場合が多い

5. カリウム・リン

  • 高カリウム血症や高リン血症を認める場合は制限を検討

CKDにおける適正な体重に関する検討

  • 日本では従来BMI=22による標準体重が用いられてきた
  • 一般住民の研究では、総死亡率が最低となるBMIは男性で22~27、女性で22~24と推定
  • CKDでは尿蛋白の有無、腎予後と生命予後のリスク、合併症の有無などを考慮した個別の設定が重要
  • 透析患者では死亡リスクの低いBMIは22を含む幅広い範囲にある
  • 小児では男女別の身長に基づいた体重設定が基本

サルコペニア、PEW、フレイルについて

文書では、CKD患者に特有の栄養障害である「サルコペニア」(筋肉量減少)、「Protein-energy wasting(PEW)」(たんぱく質・エネルギーの消耗)、「フレイル」(虚弱)についても解説されており、たんぱく質制限を行う際にこれらの状態に注意が必要であることが強調されています。

この食事療法基準は、患者の状態に応じて個別化された適切な栄養管理を行うことが重要であるという考え方に基づいています。

 

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